Cloudflare Workersを未ログインで試す|一時公開
この記事でわかること
- Cloudflare Workersの一時デプロイが何を解決する機能なのか
- wrangler deploy --temporaryを使える条件
- 60分の有効期限内に確認し、必要なら自分のCloudflareアカウントへ引き継ぐ流れ
- 本番公開や継続的なデプロイに使わない方がよい理由
- 最小構成のWorkerを一時公開するときのファイルとコマンド
結論・重要ポイント
- Wrangler 4.102.0以降では、Cloudflareへログインしていない環境から--temporaryでWorkerを一時公開できます。
- 一時プレビューアカウントは60分以内に引き継がないと、デプロイと作成したリソースが削除されます。
- --temporaryは未認証環境専用です。すでにOAuth、CLOUDFLARE_API_TOKEN、グローバルAPIキーを使える環境ではエラーになります。
- 本番運用やCI/CDでは、一時アカウントではなく恒久アカウントと正式な認証を使います。
- 表示された引き継ぎ用URLは、アカウントの所有権につながるため秘密情報として扱います。
対象読者と前提知識
この記事は、AI開発エージェントが作った小さなWebアプリをすぐ確認したい方、Cloudflare Workersをアカウント作成前に試したい方、--temporaryと通常のデプロイの違いを知りたい方向けです。
Node.jsとnpmが使えることを前提にします。Cloudflareアカウントは一時公開の時点では不要ですが、公開物を60分より長く残すには、引き継ぎ時にCloudflareへのサインインまたはアカウント作成が必要です。
MAO先生と学ぶWranglerの一時デプロイ
生徒うみちゃん
Cloudflareにログインしていなくても、AIが作ったWorkerをそのまま公開できるってこと?
MAO先生
はい、Wrangler 4.102.0以降なら、未認証の環境で--temporaryを使って一時公開できます。確認用のworkers.dev URLと、あとでアカウントを引き継ぐためのURLが表示されるのです。
生徒りくちゃん
一時公開したWorkerは、通常の本番デプロイと同じように残り続けるのですか?
MAO先生
いいえ。引き継ぎをしなければ60分で一時アカウントごと削除されます。結論として、試作の表示確認には便利ですが、継続運用する本番環境の代わりではありません。
生徒うみちゃん
60分あるなら、その間だけ本番として使えばいいじゃん!終わったらまた作り直せばよくない?
MAO先生
その使い方は避けます。URLやデータが消える前提なので、利用者向けのサービスやCI/CDには向きません。実は、本番では恒久アカウントへログインし、GitHub連携やAPIトークンで再現できる公開手順を作る方がよいのです。
生徒りくちゃん
すでにCloudflareへログインしているPCで--temporaryを付けると、別の一時アカウントが追加されてしまうことはないのでしょうか?
MAO先生
よく気づきましたね!認証済みの環境では--temporaryがエラーになる仕様です。普段使う本番アカウントへ、意図せず一時デプロイする仕組みではありません。
生徒うみちゃん
じゃあ、まず普通にデプロイして、認証がないと案内されたときだけ--temporaryでやり直せばいいってこと?
MAO先生
その順番が公式の案内です。Wranglerは認証がなければ、一時デプロイで続けるためのコマンドを示します。公開後はURLを確認し、残したい場合だけ60分以内に引き継ぎます。
生徒りくちゃん
引き継ぎ用URLを受け取った人が所有者になれるなら、チャットや公開ログへ貼らないことも重要ということですね!
生徒うみちゃん
試作品はすぐ見られて、本番にするかは人が決めるんだ。役割を分ければ便利じゃん!
コード・操作手順・具体例
ここでは、文字列を返す最小のWorkerを例にします。以下のコマンドは実際にリモートへデプロイするため、試作用の未認証環境と、公開してよいコードで実行してください。
1. Worker本体を作る
src/index.jsとして保存する完全なJavaScriptです。Node.js固有APIは使わず、Workersで利用できるRequestとResponseを使います。
export default {
async fetch(request) {
const url = new URL(request.url);
return new Response(`Temporary Worker: ${url.pathname}`, {
headers: {
"content-type": "text/plain; charset=utf-8",
},
});
},
};
2. Wrangler設定を作る
プロジェクト直下へ置くwrangler.jsoncの完全な設定例です。
{
"$schema": "node_modules/wrangler/config-schema.json",
"name": "temporary-preview-demo",
"main": "src/index.js",
"compatibility_date": "2026-06-30"
}
3. Wranglerのバージョンを確認する
一時デプロイにはWrangler 4.102.0以降が必要です。次のコマンドは最新版のWranglerを指定してバージョンを表示します。
npx wrangler@latest --version
表示されたバージョンが4.102.0未満なら、そのまま古いWranglerで続けないでください。
4. 通常のデプロイを先に試す
公式の流れでは、最初に通常のデプロイを実行します。
npx wrangler@latest deploy
Cloudflareの認証情報がない場合、Wranglerが--temporaryで再実行する案内を表示します。すでに認証済みなら、その認証先へ通常デプロイする動作になるため、実行前に対象環境を確認してください。
5. 未認証の場合だけ一時デプロイする
Wranglerから案内された未認証環境で、次のコマンドを実行します。
npx wrangler@latest deploy --temporary
成功すると、主に次の情報が表示されます。
- 一時プレビューアカウント名
- 60分以内に開く引き継ぎ用URL
- 動作確認に使うworkers.dev URL
引き継ぎ用URLは公開せず、必要な担当者だけに渡します。同じ有効期間内なら、一時アカウントを再利用して修正版をデプロイできます。
6. 残す場合は60分以内に引き継ぐ
引き継ぎ用URLをブラウザで開き、Cloudflareへサインインまたはアカウントを作成します。引き継ぎ後にWranglerから更新を続ける場合は、恒久アカウントへログインして--temporaryを外します。
npx wrangler@latest login
npx wrangler@latest deploy
7. 一時アカウントで使える範囲を確認する
2026年6月30日時点の公式資料では、主な対応範囲は次のとおりです。仕様や上限は変更される可能性があるため、実行前に最新の公式資料を確認してください。
| 対応対象 | 主な条件 |
|---|---|
| Workers | workers.devへデプロイ |
| Workers Static Assets | 最大1,000ファイル、1ファイル最大5MiB |
| D1 | 1データベース、最大100MB |
| Hyperdrive | 最大2構成、10接続 |
| Queues | 最大10キュー |
| Workers KV・Durable Objects・SSL/TLS証明書 | 一時認証情報に対応するコマンドで利用 |
よくある誤解や失敗
--temporaryなら認証済み環境でも別枠で使える
使えません。WranglerがOAuth、CLOUDFLARE_API_TOKEN、グローバルAPIキーのいずれかを利用できる場合、--temporaryはエラーになります。
60分後もworkers.devのURLだけは残る
引き継がなければ、一時プレビューアカウントとデプロイは削除されます。記事、SNS、顧客への案内など、残り続ける前提のURLとして使わないでください。
引き継ぎ用URLは単なる確認画面なので共有してよい
引き継ぎ用URLは、一時アカウントの所有権を取得するための情報です。公開Issue、公開チャット、スクリーンショット、ログへ含めないようにします。
一時デプロイなら本番データを入れても安全
一時アカウントは試作用です。個人情報、顧客データ、本番用シークレットを入れず、削除されても問題のないテストデータだけを使います。
GitHub連携の代わりになる
一時デプロイは、未認証の状態から短時間で試作を確認する仕組みです。継続運用では、恒久アカウント、GitHub連携、レビュー、ロールバック手順を含む公開フローを用意します。
Q&A
Cloudflareアカウントを持っていなくても使えますか?
一時デプロイの開始時点では不要です。60分より長くWorkerとリソースを残す場合は、引き継ぎ用URLからCloudflareへサインインするか、アカウントを作成します。
60分の間に修正して再デプロイできますか?
できます。Wranglerは有効な一時プレビューアカウントをキャッシュして再利用します。ただし、wrangler loginまたはwrangler logoutを実行すると、そのキャッシュは消去されます。
本番やCI/CDでも--temporaryを使えますか?
公式資料では、本番とCI/CDには恒久アカウントを使い、wrangler loginまたはCloudflare APIトークンで認証するよう案内しています。
一時アカウントの作成に時間がかかることはありますか?
作成前に自動のProof of Work確認があるため、短い待ち時間が発生する場合があります。また、短時間に多数の一時アカウントを作ろうとすると、作成速度の制限により待機が必要になることがあります。
この記事のコマンドは実際にデプロイしましたか?
この記事の作成時には、意図しない一時アカウントやリモートリソースを作らないため、実際のdeploy --temporaryは実行していません。コマンドの要件と動作は、Cloudflareの公式発表、Wranglerコマンドリファレンス、Claim deploymentsの公式資料で確認しています。
要点まとめ
- Wrangler 4.102.0以降では、未認証環境から--temporaryでWorkerを一時公開できる
- 一時プレビューは60分以内に引き継がなければ、アカウントとリソースが削除される
- --temporaryは未認証環境専用で、本番やCI/CDには使わない
- 公開されたworkers.dev URLで動作を確認し、残すと決めた場合だけ引き継ぐ
- 引き継ぎ用URLとテストデータは、セキュリティ上の取り扱いに注意する
公式資料・参考資料
- Cloudflare公式ブログ:Temporary Cloudflare Accounts for AI agents
- Cloudflare Workers公式:Claim deployments (temporary accounts)
- Cloudflare Workers公式:Wrangler deployコマンド
- Cloudflare公式Changelog:Temporary accounts for AI agent deployments
※公式情報を2026年6月30日に確認して作成しています。一時アカウントの対応製品や上限は変更される可能性があるため、実行時点の公式資料を確認してください。
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授業に登場する3人については、MAO先生のIT授業 キャラクター紹介で確認できます。
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