同じIT質問が何度も出る小規模事業者様へ|社内手順書の作り方
「毎回同じExcel操作を聞かれる」
「クラウド保存の場所が人によって違い、最新版が分からなくなる」
「担当者様が休むと、パスワード変更やプリンター設定の手順が止まる」
小規模事業者様の現場では、ITの困りごとが大きなシステム障害ではなく、毎日の小さな確認として積み重なることがあります。質問する側も答える側も悪いわけではありません。手順の置き場所と更新方法が決まっていないため、知っている人へ毎回聞く形になりやすいのです。
この記事では、同じIT質問を減らすために、最初から立派な社内マニュアルを作るのではなく、1ページ手順書から始める方法を整理します。
まず「よく聞かれる質問」を集める
手順書づくりで最初にやることは、ツール選びではありません。まず、過去1カ月ほどで繰り返された質問を集めます。
例えば、次のような質問です。
- 共有フォルダのどこへ保存すればよいか
- 見積書や請求書のファイル名をどう付けるか
- プリンターやスキャナーが使えないときに何を確認するか
- 問い合わせメールを受けた後、どこへ記録するか
- ホームページ更新用の写真や文章を誰へ渡すか
- 生成AIへ入力してよい情報と避ける情報は何か
推測ですが、質問が多い業務ほど、担当者様の頭の中には手順があります。ただし、文章や一覧になっていないため、他の方が同じように動けない状態になっていることが多いです。
ここでは完璧な分類は不要です。まずは「何度も聞かれる」「間違えると困る」「新人様や臨時担当者様が迷いやすい」ものから選びます。
手順書にする優先順位
すべてを一度に手順書化しようとすると続きません。最初は、次の基準で優先順位を付けます。
| 優先度 | 対象 | 理由 |
|---|---|---|
| 高 | 仕事が止まる操作 | 共有ファイル、印刷、メール、予約、問い合わせ対応など |
| 高 | 間違えると損失が出る操作 | 見積書、請求書、顧客情報、権限変更など |
| 中 | 担当者様しか知らない操作 | ホームページ更新、写真差し替え、管理画面ログインなど |
| 中 | 質問回数が多い操作 | Excel集計、クラウド保存、テンプレート利用など |
| 低 | たまにしか使わない操作 | 年1回の設定変更、特殊な印刷、古い機器の操作など |
特に、顧客情報や社内情報を扱う作業は、便利さだけでなく安全性も見ます。生成AIの利用ルールを整理する場合は、生成AIへ顧客情報を入力する前の情報管理ルールも参考になります。
1ページ手順書に入れる項目
最初の手順書は、A4用紙1枚または1画面で見られる量にします。長くするより、現場で開いてすぐ使えることを優先します。
最低限、次の項目があれば始められます。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 手順名 | 何の作業か一目で分かる名前 |
| 使う場面 | どんなときに見る手順か |
| 事前に必要なもの | アカウント、ファイル、資料、確認先 |
| 作業手順 | 迷いやすい順番だけを箇条書きにする |
| やってはいけないこと | 削除禁止、共有禁止、入力禁止など |
| 困ったときの相談先 | 社内担当者様、外部サポート、問い合わせ先 |
| 更新日 | 古い手順を使わないための日付 |
画面キャプチャを入れる場合も、すべての画面を貼る必要はありません。迷いやすいボタン、保存先、確認画面だけに絞ります。パスワードや顧客名など、秘密情報や個人情報が写り込まないように注意してください。
作りやすい手順書の型
文章を書くのが苦手な場合は、次の型に沿って埋めるだけでも十分です。
手順名:
この手順を使う場面:
最初に確認すること:
手順:
1.
2.
3.
注意点:
困ったときの相談先:
最終更新日:
例えば、共有フォルダの保存ルールなら、次のように書けます。
手順名:見積書ファイルの保存場所
この手順を使う場面:見積書を作成・修正したとき
最初に確認すること:顧客名、案件名、見積日
手順:
1. 共有フォルダの「見積」フォルダを開く
2. 顧客名フォルダがなければ作成する
3. ファイル名を「日付_顧客名_内容」にそろえる
注意点:古い見積書を上書きせず、版を分けて保存する
困ったときの相談先:社内の管理担当者様
最終更新日:2026-07-13
実際の社名や顧客名を例に使う必要はありません。社外へ見せる可能性がある手順書では、架空名や一般名に置き換えた方が安全です。
置き場所を1つに決める
手順書を作っても、置き場所が分散すると使われません。まずは、最終的に見る場所を1つ決めます。
候補は次のようなものです。
- 共有フォルダ
- GoogleドライブやOneDrive
- 社内チャットの固定投稿
- Notionなどのナレッジ管理ツール
- 紙のファイル
どれが正解というより、担当者様が毎日見られる場所かどうかが重要です。クラウド保存とバックアップの考え方は、クラウド保存だけで安心しないためのファイル紛失対策でも整理しています。
置き場所を決めたら、ファイル名もそろえます。例えば「手順_見積書保存」「手順_問い合わせ記録」「手順_プリンター確認」のように、検索しやすい名前にします。
更新ルールは軽くする
手順書は作って終わりではありません。業務の流れ、利用ツール、担当者様が変わると、手順も古くなります。
ただし、毎回きれいに作り直す必要はありません。最初は次の3つだけ決めます。
- 手順を変えた人が更新する
- 判断に迷った質問は追記候補にする
- 月1回だけ古い手順を確認する
ホームページ更新と同じで、手順書も「完璧な文章」より「今の業務とずれていないこと」が大切です。公開後の点検方法は、ホームページ公開後の月次点検の考え方も応用できます。
手順書だけでは解決しにくいケース
手順書を作っても、次のような場合は業務そのものの見直しが必要です。
| 状態 | 起きていること | 見直し方 |
|---|---|---|
| 手順が長すぎる | 作業自体が複雑すぎる | フォーム、テンプレート、管理表を簡単にする |
| 例外が多い | 判断基準が決まっていない | 対応可否や承認ルールを決める |
| 人によって結果が違う | 入力項目や保存先が統一されていない | 最低限の項目とファイル名をそろえる |
| 質問が減らない | 手順書の場所が分からない | 置き場所、検索名、社内共有方法を直す |
この状態で高機能なツールを追加しても、かえって入力場所が増えることがあります。まずは、今の流れを見える化し、どこで迷っているかを確認する方が現実的です。
業務全体の流れを整理する場合は、業務効率化・IT相談で、管理表、簡易システム、ホームページ導線まで含めて相談できます。PC操作の困りごとが中心なら、PC・スマホサポートも選択肢です。
よくある質問
手順書はExcel、Word、Googleドキュメントのどれがよいですか?
最初は、担当者様が開きやすく、更新しやすい形式で構いません。表で管理したいならExcelやスプレッドシート、文章中心ならWordやGoogleドキュメントが向いています。重要なのは形式よりも、置き場所と更新担当を決めることです。
画面キャプチャを多く入れた方が分かりやすいですか?
必ずしも多い方がよいとは限りません。画面が変わるたびに更新が必要になるため、迷いやすい場所だけに絞る方が続きやすいです。秘密情報や顧客情報が写り込まないように加工してから使ってください。
AIで手順書を作ってもよいですか?
下書きや文章整理には使えます。ただし、実際の画面、権限、保存先、禁止事項は人が確認してください。顧客情報、パスワード、未公開資料をそのままAIへ入力しないことも大切です。
まとめ
同じIT質問を減らすには、最初から大きなナレッジ管理ツールを入れる必要はありません。
- よく聞かれる質問を集める
- 仕事が止まる手順から優先する
- 1ページで見られる手順書にする
- 置き場所を1つに決める
- 月1回だけ更新する
この順番で進めると、担当者様の負担を増やしすぎず、質問する側も確認しやすくなります。
MAO工房では、小規模事業者様のPC操作、クラウド保存、社内手順書、ホームページ更新、業務効率化をまとめて確認できます。「同じ質問が多い」「担当者様しか分からない作業を減らしたい」と感じたら、お問い合わせページから、まずは無料相談からお気軽にご相談ください。
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